モーグル ワールド/ ”モーグルをもっと楽しく”が合い言葉

上村愛子
スキークロス・男子決勝
左からトーマス・ツァンガール(AUT)・アンドレアス・マット(AUT)・デイビー・バー(CAN)
男子決勝・レッドビブが優勝のトーマス・ツァンガール(AUT)、このあと逆転する
スキークロス・女子表彰式
左からカーリン・フッタリー(AUT)・アシュリー・マカイバー(CAN)・メリル・ブーランジェ(FRA)
スキークロス・女子決勝
女子決勝・先頭のイエロービブが優勝のアシュリー・マカイバー(CAN)
2009 FIS フリースタイルスキー 世界選手権 猪苗代大会が開幕した。

初日となった3月2日は、猪苗代スキー場でスキークロスが行われた。

男子の優勝はAndreas Matt/アンドレアス・マット(AUT)・2位Thomas Zangerl/トーマス・ツァンガール(AUT)・3位Davey Barr/デイビー・バー(CAN)となった。
アンドレアス・マット(AUT)は、予選も1位通過の完全優勝となった。

女子の優勝はAshleigh Mcivor/アシュリー・マカイバー(CAN)・2位Karin Huttary/カーリン・フッタリー(AUT)・3位Meryl Boulangeat/メリル・ブーランジェ(FRA)となった。
アシュリー・マカイバー(CAN)は、予選最下位からの優勝を飾った。

男女の優勝者が対照的な結果となり、なにが起こるかわからないという典型的な結果となり、スキークロスの魅力を十分に味わえたのではないだろうか。

バンクーバーオリンピックから正式種目となるスキークロス、迫力ある雪上の格闘技に注目しよう。

日本からは男子、瀧澤宏臣選手・土井俊幸選手・松原良輔選手・VIC小林選手の4名、女子は福島のり子選手・大久保優選手の2名が出場した。

男子は、予選を瀧澤宏臣選手・9位、松原良輔選手・31位、土井俊幸選手・32位で上位32名で争われる決勝トーナメントへ進出し、VIC小林選手は38位で決勝トーナメント進出はならなかった。

決勝トーナメントでは4人が同時にスタートし、上位2位までが次のラウンドへ進めるというもの。

決勝トーナメント1回戦で松原選手、土井選手は上位2位までに入れず、松原選手31位、土井選手32位に終わった。

瀧澤選手は1回戦を1位で勝ち進んだが、続く準々決勝で前半出遅れ、後半追い上げたが一歩届かず3位でゴール、12位と日本人選手の中では最高位だった。

女子は、予選を福島のり子選手が12位、大久保優選手が22位で決勝トーナメントへ進出し、大久保選手は1回戦3位で上位2名が進む準々決勝への進出はならなかった。

福島選手は1回戦スタート直後、他の選手と接触し転倒、頭を打ちそのまま病院へ搬送され、念のために精密検査をしたところ、軽い脳しんとうと診断され、大事には至らなかったとのこと、大会の結果は18位だった。

3位以内に入ると、来年のバンクーバーオリンピックの代表が内定するという今大会での、日本代表内定第1号はならなかった。

今回、表彰台に立った選手たちからは「表彰台に立てたことはもちろん嬉しいが、雪不足の中とてもすばらしいコースを整備してくれたスタッフに感謝します」という言葉が多かった。

実際に天候も良く気温も上がり雪が緩む中、競技中も何度もコース整備に入り、なんとか維持しての進行となった。

ここでも地球温暖化の影響をまともに受けた形となったが、選手たちはその深刻な問題の中でも競技ができることに喜び、それを運営するスタッフたちへの感謝の気持ちを決して忘れてはいないのです。

雪上スポーツにとって深刻な問題でもある「地球温暖化」について、改めて考えさせられる一日となった。

2009 FIS フリースタイルスキー 世界選手権 猪苗代大会は、まだまだ始まったばかり、今後の競技も楽しみだ。

もちろん、3月7日・8日に行われるモーグル・デュアルモーグルでは、日本人選手の活躍に期待しよう。
(2009.03.03)