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上村愛子
上村愛子
写真:凱旋帰国後初となる「女王の滑り」を披露する上村愛子選手
写真:今シーズンから取り入れているバックフリップ・今日飛んだのはこの1本のみだった

上村愛子選手が凱旋帰国後初となる「女王の滑り」を披露!

フリースタイル スキー 全日本選手権 モーグル 2008 北海道大会の公式練習2日目が、会場となるさっぽろばんけいスキー場のモーグルコースで行われた。

曇りだった空にも徐々に日が差すようになり、気温も上がり前日同様に暑ささえ感じるほどとなった公式練習2日目。
国内最高峰の大会に出場する選手たちが大会会場となるコースを確認した。

そこで、W杯モーグルの年間総合チャンピオン、上村愛子選手が凱旋帰国後初の滑りを披露した。
「エアの上村」から「ターンの上村」へと変身した今シーズン、2月のW杯猪苗代大会からの5連勝で総合優勝を決めたターンは、同じく出場する選手たちの目をも釘付けとした。

午前中1時間、午後1時間の公式練習がある中で、上村選手は午前中の公式練習終了間際に登場し、コースインスペクションを1本したあと、実際にコースを滑る公式練習で凱旋帰国後初となる「女王の滑り」を披露した。

公式練習では、男子も女子も一緒にコース内を滑っており、コース脇には各選手がイメージをしたり、自分の滑るレーンの空きを待っている光景が見られる。
そんな中、上村選手が滑り始めた瞬間にコース内が静まり返り、滑走する上村選手にコース内の選手たちも釘付けとなった。
誰もが世界一のターンに見とれていた。

それでも上村選手は、今日のコースコンディションは「雪がザクザクしているのとコブが深く、そしてエア台もすごく大きくて、どこまでスピードコントロールをしようか考えながら滑っていたら、スキーを横に振ってしまい、W杯で滑っていたような縦に真っすぐ降りてくる滑りではなかった」と言い、そこをヤンネコーチに「できるだけもっとスキーを縦に下ろして来るように」と指摘されていたそうだ。
練習では、1本滑るごとにヤンネコーチからアドバイスをもらい、「そのアドバイスを意識して滑ることで集中でき、また気合いの入り方も違ってくる」と、今シーズンの上村選手が「ターンの上村」に変身した背景に、ヤンネコーチは大きな存在と言える。

オフシーズンにしっかりと体作りができ、体全体のバランスが良くなったことでスキーも安定し、ジャッジからも認められ結果を残すことができたことで、上村選手本人も「ようやく世界の頂点を目指して頑張りますと力強く言えるようになった」と言い、すでに来年の世界選手権、その後のバンクーバーオリンピックまで視野に入れ、「まだまだ新しい技術を習得して上を目指します」と力強く語った。
全日本選手権については「国内の大会は、W杯とは雰囲気などが違うけどすでに気持ちは大会モードに入っているので大丈夫」と5連覇へ向けて本気モードだ。

W杯総合優勝という大きなお土産を持っての今シーズン最終戦となる全日本選手権、若い選手たちも着々と力を付けて来ている中で、「世界の女王」となった上村愛子選手は、どんな滑りを見せてくれるのか楽しみにしよう。

明日、21日はデュアル モーグルが行われる。

(2008.03.20.20:30)

上村愛子
写真:公式練習が終了するとファンからのサインや写真撮影にも気軽に応じる上村愛子選手
上村愛子
写真:上村愛子選手・盤渓小学校で行われた公式練習後の開会式にて