モーグル ワールド/ ”モーグルをもっと楽しく”が合い言葉

上村愛子
上村愛子・クリスタルトロフィー
写真:試合欠場の理由を語る上村愛子選手
写真:クリスタルトロフィーを披露してくれた上村愛子選手(前日のデュアル終了後)

上村愛子選手は欠場、伊藤みき選手はDM・MO共に2位!

フリースタイル スキー 全日本選手権 モーグル 2008 北海道大会が、3月22日にさっぽろばんけいスキー場のモーグルコースで行われた。

晴天に恵まれた今日は朝から気温も上がり、暑さを感じさせるほどの陽気となった。

上村愛子選手>

前日に行われたデュアルで、初優勝した村田愛里咲選手に決勝トーナメント2回戦(1回戦はシード)で敗れた、2008 W杯 モーグルの総合チャンピオン上村愛子選手が疲労のため、この日行われたシングルを欠場した。

上村選手は「非常に疲れを感じていて、昨日も体が思うように動かなかった。試合後、宿泊先からコインランドリーまで洗濯に出かけたがそこで寝てしまった」と言い、病院で検査を受けたという。
診断は疲労ということで大事に至るようなものではなかったが、コーチに相談したところ「体を大事にしてくれ」と言われ、「5連覇もかかっている大会だったので絶対に出たいなと思い、今日の朝まで考えていたが、目が覚めたときに体の調子が万全という状態ではなく、良い滑りができないなと感じ残念だけどあきらめることにしました」と語り、「W杯の連戦、そして5連勝することというのは体力的にも精神的にもタフなことだった」と溜まった疲れは隠しきれなかった。

「これから1ヶ月ほどはスキー板を履かずに、またスキーがしたいなというモチベーションが上がってくるのを待つことにする」とヤンネコーチとも話したと言う。

今シーズン、W杯猪苗代大会から5連勝と快進撃で、年間総合優勝も決める最高のシーズンとなった上村愛子選手、今はただ疲れた体を十分に休めることを第一に考え、また来シーズンには、さらに進化した上村愛子選手を見せてくれることを期待しよう。

伊藤みき選手>

前日のデュアルでの2位という結果に「すごく悔しいです。私、今までに優勝ってしたことがなくて・・・ 愛子さんとかが出場しなかったとき(過去の全日本選手権)にも優勝できなかったんですよ」と本当に悔しそうに語った。
しかしすでに気持ちは切り替わっていたようで、「まだ明日があるので頑張ります」と力強く語ってくれた。

そして、シングル当日の朝の公式練習を終え、「調子はまずまずです」と初優勝へ向けての準備は整った。

予選を22.49点の2位で決勝進出を決め、迎えた決勝では危なげない滑りで2位のタイムで滑り降りた。
それでも結果は、24.14点でまたも2位とあと一歩及ばなかった。試合後、伊藤選手は「悔しい思いもあるが、今の私の滑りがこの滑りだったので、来年に向けての課題ができた良い大会だった」と言い、それでも「一番になりたい」という気持ちは強く持っており、「これからまだまだ2歩も3歩も上に成長するために、もしここで優勝していたらそこまでだったかも知れないけど・・・とても良い滑り(里谷選手)も見せてもらったし、もっと頑張らなきゃという気持ちにさせてくれた良い大会でした」と前向きな発言も出た。

「この試合がすべてというものではなかったので、来シーズンに向けては毎日小さな目標を立ててこなして行くことで、結果的に成長した私を見てほしい。もっともっとスキーに対していっぱい時間を割いて、強くなるために考えて取り組んで、それを最高の形でパフーマンスできたら、私は世界で一番幸せになれると思います」と語る将来の日本のエースが「一番」になるのも時間の問題だろう。

(2008.03.23.14:30)

伊藤みき
写真:決勝で力強い滑りをする伊藤みき選手
伊藤みき
写真:伊藤みき選手、決勝でのエア(バックフリップ)
伊藤みき
写真:表彰式で笑顔の伊藤みき選手