<モーグルの魅力>
モーグルとは、コブのある急斜面を途中2回のジャンプ(エア)技を行い、どれだけ速く滑り降りるかを競うフリースタイルと呼ばれるスキー競技である。
急斜面の大きなコブの中を滑り降りるスピードと、迫力のある大きなエアは、スキー競技の中で最も華やかでアクロバティックな種目である。
<ターン技術>
それは、スキー本来の「滑る」という技術を意味する。
急斜面の大きなコブの中を滑り降りるという非常に難しい技術を必要とする。
ただ滑り降りるのではなく、フォールラインに向かって真っすぐ、上半身のバランスを保ちながら、カービングターンを入れ、さらにコブの吸収動作を使って滑り降りる。
見た目以上にスキー技術だけではなく、筋力を必要とする。
<大きなエア>
他の競技にはないフリースタイル スキー独特のアクロバティックな面である。
コース中に設けられたジャンプ台を利用して、空中で規定の技をいくつか組み合わせて演技をする。2回のエアはそれぞれ違う演技をしなくてはならない。
エアの基本は、足を広げるスプレッドイーグルと呼ばれる技や上半身を軸に下半身を左右にひねるツイスターと呼ばれる技などを組み合わせて演技する。
しかし、近年ではルール改正により、空中で一回転するバックフリップなどの縦回転技や、トリノオリンピックで上村愛子選手が飛んだコーク720(セブンツー)などの3D系の軸を斜めにして空中で回転する技が、主流となってきた。
世界の男子選手になると、高さ(最頂点から着地点まで)7~8m・距離にして10m前後をコブ斜面の中で飛んでいるのである。
このようにモーグルには、迫力あるエアも大きな魅力となり、観衆を大いに盛り上げるのである。
<スピード>
どんなに上手にコブを滑り降りても、どんなに大きなエアを飛んでも遅くては勝てない。限界に近いほどのスピードでコブの中を滑り降り、そして信じられないほど大きなエアを飛び、ゴールを目指す。
それこそが、モーグル最大の魅力ではないだろうか。
スピードを求め過ぎ、コントロール不能となりコースアウトする選手は少なくない。ターンやエアだけではない。最後に求めるものはスピード。
これこそがスキー競技の原点でありモーグル競技の原点ではないだろうか。